学生へのメッセージ
大震災時、また復興計画策定時に空間情報は大きな役割を果たしました。同時に、重大な教訓も残しました。地震国に住む我々にとって、空間情報の把握、処理、そして伝達を的確に行うことは、極めて重要です。空間情報の役割や今後のあるべき姿について考えてみたいと思います。
参考文献
●履修者のレスポンス抜粋
◇法学部第2類・4年
「どのような情報を発信するか」という今日の議論に、「その情報に、いかにアクセスするか」という、バリアフリー分野に携わる知見や心理学のような人の行動に携わる知見がリンクすればもっと面白く、かつ実践的なのでは、と思いました。
◇文学部社会学4年
空間情報の扱い方が主なテーマだったと思いますが、空間に限らず情報一般に通ずる話のようにも思えました。そこで、空間情報に特有の性質として考えられる・考えるべきことは何でしょうか。
◇文学部言語文化4年
ホームICTのような機器が開発完了すれば、危険を予告することは容易になると思う。しかし逆にデバイスが増えることで情報が乱立してしまっては、何を信じればいいのかと不安を誘発しかねないのではないか。
◇工学系研究科電子系工学M1
僕もネットワークの研究でアドホックネットワークに近いメッシュネットワークの研究をしているのですが、そこで問題となっているのは電源で、現地の人と話しても停電と基地局の停止や輻輳で情報を得られなかったのが一番残念だったとの印象でした。……安全第一で正しい情報を分かり易く示す空間情報というのはまた上のレイヤーですが、大事なこととして考えなければならないのだなと感じました。
◇農学研究科・農学国際M1
放射能汚染マップで「地図化」の重要性を痛感しました。海を見なければ来るまでわからない津波、健康被害が出るまでは色も臭いもない放射能、そのような「五感」がなかなか役に立たない時の伝達方法として「可視化」の持つ意味はすごいなあと。「地図化」には科学でないもの、野性的、思想的なものが紛れる可能性はありますが、それ故に感覚に訴えるのかもしれません。
◇経済学部・金融学科4年
津波情報と人々の反応、出てくる結果の向上を目指すというのは、経済学的な見方が活きるように感じました。理論はきれいでもなかなか現実に適用できない経済学ですが、なんとか使えたらな…(笑)