第11回 若宮啓文(朝日新聞社主筆)

「新聞にできるのは何か―3.11が問うたもの」

 

 

学生へのメッセージ

誰もが予期しなかった3.11の大震災。新聞はどうしたか。何を求められたか。
1923年の関東大震災の時と比べつつ、被災者と向き合う生身の記者の取材と葛藤をお話し、ジャーナリズムの原点を考えたい。 

 

 



参考文献

 

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講義資料1:
こちらは関東大震災報道のファイルで、12/9に配布済みのものです。
履修者向けパスワードで開きます。
朝日講座_11回_若宮先生配布資料(大正)_PWあり.pdf
PDFファイル 4.5 MB
ダウンロード
講義資料2:
こちらは東日本大震災報道のファイルです。
履修者向けパスワードで開きます。
朝日講座_11回_若宮先生配布資料(現代)_PWあり.pdf
PDFファイル 4.6 MB

 

若宮 啓文「ルポ・現代の被差別部落」(朝日文庫、1988)
若宮 啓文「忘れられない国会論戦--再軍備から公害問題まで」(中公新書、1994)
若宮 啓文「和解とナショナリズム--新版・戦後保守のアジア観」(朝日選書、2006)
若宮 啓文「闘う社説--朝日新聞論説委員室2000日の記録」(講談社、2008)
若宮 啓文「右手に君が代 左手に憲法--漂流する政治」(朝日新聞社、2007)

 


講義後情報コーナー

●履修者のレスポンス抜粋

 

◇文学部・社会学3

大災害のときにメディアの真価が明らかになると思った。従来型のメディアの重要性が低下していると言われるが、情報が途絶したときの従来型のメディアの大きさが東日本大震災の場合あらわれていたのではないか。メディアをめぐる状況が大きく変化しているなかでメディアの役割がどういうふうになっていくかとても気になった。

 

◇法学部・第24

私は新聞で被災者を伝える記事を目にする度に、少し嫌悪感を覚えていた。悲劇を大衆の娯楽に供しているように感じたからだ。しかし、今回、現場の記者の葛藤を聞き、考えが変わった。有意義な時間でした。

 

◇経済学部・経済学科3

率直に思ったことを書くと、地元が宮城の自分にとって、今回の講義は震災のことを深く思い出させてくれました。<中略>その後、震災の報道などを聞くたびに、ひどく嫌な気持ちになりました。<中略>しかし、今日、現地にいた記者が自分の家が流されながらも映像を撮ってたりするのを見て、ひどく心を打たれました。新聞は、被災地の人々に情報を与えてくれ、海外にいた僕にも情報を与えてくれました。その裏にある記者などの努力を賞賛せずにいられません。

 

◇法学部・第23

私は3/20から名取市で活動しています。<中略>南三陸の町長がすぐに山古志に行って、そこの町長から「メディアの記者の待遇をよくすれば報道がされて、支援がたくさんくる」というアドバイスをもらったそうですね。とても政治力を感じます。また名取や岩沼の報道が少なく感じるのも、そんなところに原因があるからでしょうか。残念です。名取の関上は人口の25%を失いました。死亡率は一番高かったはずです。やっぱり30mの津波の方が記事として面白いですか?