私たちの社会生活は、幸せをはじめとする様々な感情に彩られています。あるときには、私たちの世界を豊かにし、またあるときは、私たちを苦しみの底に追いやる感情…なぜ、私たちの心は、感情を経験するようにできているのか、考えたことはありませんか? 社会心理学は、社会的動物としての私たちの心の仕組みを探究する学問です。この授業では、社会心理学の得てきた知見をもとに、感情が心の機能として果たす役割を議論します。また、他の感情、特にネガティブな感情との対比を通して、幸せという感情が果たす機能についても考えます。
・戸田正直『感情:人を動かしている適応プログラム』東京大学出版会、1992年。
・唐沢かおり「認知と感情」(唐沢他著、『社会的認知の心理学』172-188)ナカニシヤ出版、2001年。
・北村英哉『認知と感情:理性の復権を求めて』ナカニシヤ出版、2003年。
・唐沢かおり(編著)『社会心理学』朝倉書店、2005年。
◇工学系研究科技術経営戦略学専攻・修士1年
今回の心理学から見た幸福感に関する講義を聴いて、われわれが幸福感を感じる際の心の仕組みや機能について論理的にとらえることができた。幸福感は感情の一種であるが、その正体が良く分からない感情についての知見が得られ、幸福に対する心理学的な捉え方ができた。
◇文学部思想文化学科美学芸術学専修・3年
幸福とは何かという問いの前に現れる、感情とは何かという問い。進化論的な考え方に立ち、「適応」という言葉を軸に展開していく講義は、大変興味深かった。
◇文学部歴史文化学科日本史学専修・3年
「幸福を様々な学問の見地から考える」、本講義のこのテーマを初めて聞いた時、私が真っ先に思い浮かんだのは人の心に直接関わる学問である心理学や社会心理学だった。今日の講義は自分の予想通り、これまで数回の講義の中で最も真っ直ぐに「幸福」について論じたものであり、非常に楽しみながら聞くことができ、有意義な時間を過ごすことができた。
(以上)